そして石川梨華がメッセージを贈る。
「いつもいつも、おばちゃん、おばちゃんって言ってたけど、本当は!・・すごくすごく頼れるお姉ちゃんです!」石川は流れる涙をぬぐう事をしないで保田の手をしっかりと握っていた。

自然に涙が出て来た。石川のこの言葉を聞いた時、私の目から熱いものが流れた。
今回の贈る言葉でベスト1を挙げるとすれば、この石川の言葉が一番だと思う。

保田と同期の矢口真里。彼女は泣いてなかった。
今日、この日が来るのを一番嫌がっていた彼女。
矢口と保田。彼女達の絆はモーニング娘。の誰よりも深く、強い。今日、一番辛いはずの彼女だが、その目に涙は見られなかった。
「これからもお互いがんばろうね!」矢口は立派だった。
安倍なつみ。
「また一緒に歌うたおうね!」涙は流していたが、気丈にメッセージを贈る安倍。さすが、なっち。
そして最後にリーダー飯田圭織。
涙をポロポロこぼしながら、「こんなに素敵なモーニング娘。築くことが出来ました。私がリーダーになった時、いつも温かく支えてくれて、自信がもてるようになった。築いた仲間の絆をもっと深めて頑張っていこうぜ。」
さすがリーダー。文句なし!すばらしい締めの言葉です。矢口、安倍、飯田の3人は今モーニング娘。を引っ張っているお姉さんらしく堂々としたメッセージだった。
最後の飯田が、保田へのメッセージを言い終えた後、
安倍が次の曲紹介をする。そう、この公演に限っては特別に一曲、保田のために用意されていた。
「Never Forget」である。
この曲は今から4年前モーニング娘初代メンバーだった、福田明日香が卒業公演で歌った以来誰も歌っていない。いや、歌えなかったのだ。石黒も、市井も、中澤も、そして後藤も。
つんくは保田だからこそ、この曲を最後の最後で歌わせたのである。
保田はその期待に答えた。彼女は立派に歌い上げた。モーニング娘。というものは、ここまで人を大きくさせるモノで在るのを実感した。
歌い終わった後、場内全ての圭ちゃんコール。
会場のファンにあわせてメンバーもコールを贈る。
「どうもありがとう〜!バイバイ!また会おうね
バイバイ・・・。」彼女はそう叫ぶと、ステージを降りていった。彼女はこの時卒業を実感した。
モーニング娘。としてこの舞台には二度と上がれないという事を。

保田が降りていった舞台裏にはスタッフ、そしてゲストのココナッツ娘。やカントリー娘。が待っていた。ココナッツ娘。のアヤカは保田とは友達で、よく一緒に遊んだりするらしい。その彼女から花束を受け取り、また涙する保田。その側でアヤカも泣いていた。
間もなく、ステージから娘。のメンバーが降りてきた。彼女達はもう一度保田を取り囲み、言葉を掛けたり、抱きついたりしている。みんな泣いている。メンバー全員・・・。突然、保田は一人のメンバーを探した。保田が探していたメンバーは保田を囲んでいた輪から少し離れた場所にいた。肩を震わせ、白いタオルで顔を覆い隠すようして泣いている小さなメンバー。
矢口である。
保田は矢口を見つけると、そっと抱きしめる。
そして言葉をかけた。
矢口は耐えた。最後まで泣かないという約束を彼女はまもった。
「卒業式で湿っぽくなるのは嫌だ。」常々彼女はそう語っていた。だから彼女は今日はステージで涙は見せたくなかったのだろう。保田の胸の中で矢口は泣いた。もう、泣くしかなかった。

それから保田はメンバーから寄せ書きと、変顔と美しいスマイルショットの入ったテープをプレゼントされる。このテープは加護が楽屋で撮っていたビデオのテープである。みんな泣いていた。だが、笑いも起こっていた。明るく保田を送り出してあげたいと、メンバーは一生懸命笑顔を作っていた。
「バイバイ」保田はそういい残し、メンバーの前から去っていった。もう、モーニング娘。の保田は見られない・・・・。

ライブが終わった。しかし鳴り止まない圭ちゃんコール、私もしばらくその場にいた。Tさんもしばらくその場にいた。「まだ、何か起こるんちゃうか?」そんな密かな期待を持っていたが、会場整理の場内アナウンスが流れてきたとき、私とTさんは会場を去る決意を固める。
会場を出ると人の波が凄かった。Tさんは地元の友人と食事をすると言っていたのでここでお別れとなった。また名古屋でライブがあるとき、会おうという約束をして。
それから何とか駅まで辿り着いたが、そこから電車で東京駅へ到着した時には午後10時を軽く回っていた。おなかが空いたのでどこかで飯を食おうと考えていたが、どの店も閉店準備を進めていて入るに入れず、帰りの電車の中で飯を食べようとコンビニに立ち寄る。
コンビニで飲み物と簡単な食べ物を購入し、駅のプラットホームへ階段を上がる。この時、10時40分を過ぎていた。
プラットホームには23時発の寝台急行銀河を待つ乗客と、23時43分発のムーンライトながらを待つ乗客が20人前後いた。
私は銀河で岐阜に帰るので、到着予定のホームに立っていた。ふと周りを見渡すとライブのショッピングバッグを持った人がかなり多くみられる。
あの感動的なライブを体験してきた人たちと同じ車両になる。少し、親近感を覚える。
そして20時50分を過ぎた辺りで、寝台急行銀河は東京駅の私達がいるプラットホームへ到着した。私達は乗り込み、自分が寝る予定のベッドを探した。寝台列車には窓に頭を向ける形で向かい合わせに二階建てベッドが2つ並んでいる。私のベットは下であった。
すぐさま私は荷物から今日の晩飯を取り出し、ベッドに腰掛けて食べた。そのとき列車は動き出した。
私が降りる予定の岐阜は早朝5時到着予定。
飯を食ったらすぐ寝ないと起きれないので私は慌てて食事をとった。そしてすぐにベッドに潜り込んだ。最初電車の駆動モーターの音、車輪が踏み切りを越える時の衝撃が気になっていたが、それも暫くすると子守唄にかわり、私は熟睡状態に入った。
それから数時間後、車掌の声で目を覚ます。
「503のお客様、あと20分くらいで岐阜へ到着します。」私は車掌にお礼をいい、起き上がる。
気が付くと夜明け間近の車窓には見覚えのある懐かしい景色が映っていた。私は岐阜へ戻ってきた。
列車の出口へ向かうと、そこにも5人の人が駅到着を待っていた。身なりから察するに卒業ライブ参戦した人たちであると思われた。岐阜から来るばか者は自分だけではなかった事にホッとする。
そして岐阜駅に到着。私は改札を出ると、すぐさまタクシー乗り場へ向かった。乗り場に止まっていた車に乗り込み、行き先を告げると私を乗せたタクシーは自宅へ向かった。
そして5時30分にタクシーは私の自宅があるアパートに到着。2000円を支払い、おつりはいらないと告げてタクシーを降りた。
一人暮らしである部屋の入り口の鍵を開け、部屋へ入る。そんなに長い事留守にしたわけでないのに、なんだか懐かしい。
そして、友人のメールから始った、私にとっての「保田圭卒業ライブさいたま」は終りを告げた。

圭ちゃん、すごく綺麗だったな・・・。

明日は、いよいよ日曜日にライブが迫ってきた、
あやや こと、松浦亜弥について語ります。
シャッフルは情報がまだ不足してるので延期します。

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